1. 渡航前にかかる初期費用（ビザ・航空券・住居費）

1.1 ビザ関連の費用と取得手順

海外で働くためには、まず就労ビザの取得が必要です。ビザの種類や取得方法は国によって異なりますが、多くの国では雇用先からのサポートが前提条件となっています。

主なビザ取得までの流れは以下の通りです。

• 雇用先が内定を出した後、就労ビザの申請書類を準備
  
• パスポートや雇用契約書、無犯罪証明書などを提出
  
• 書類審査の後、現地の入国管理局が発行
  
• 発行後、渡航準備へ進む
  

ビザ申請にかかる費用は、国や申請方式によって異なります。

一般的な就労ビザでの目安は以下の通りです。

国・地域	ビザ費用の目安（円換算）	備考
シンガポール	約5,000〜10,000円	雇用主が手続きを代行することが多い
タイ	約7,000〜15,000円	労働許可証の取得も必要
UAE（中東）	約10,000〜20,000円	医療検査が追加で必要
インドネシア	約5,000〜10,000円	KITAS取得が条件

注意すべき点として、以下のような失敗が見られます。

1. 書類不備により審査が遅れる
   　申請書類のミスや記載漏れがあると、1〜2週間以上の遅延が発生します。
   
2. パスポートの残存有効期間が足りない
   　渡航予定日より半年以上残っていない場合、ビザ申請が受理されません。
   
3. 現地の法改正を確認していない
   　国によっては年単位でビザ制度が見直されるため、公式機関での最新情報確認が不可欠です。
   

費用面だけでなく、時間や労力もかかる手続きであるため、余裕を持って準備を進めることが重要です。

スムーズに就労ビザを取得するには、雇用先や支援機関との連携と、正確な情報収集が欠かせないため、事前準備と余裕を持ったスケジューリングが大切になってきます。

1.2 航空券の費用と時期の違い

海外移住における費用の中でも、航空券は比較的変動が大きい項目です。渡航先や時期によって2倍以上の差が出ることもあります。そのため、できる限り余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。

以下は、主要な渡航先への片道航空券の目安です（経済クラス、直行便の場合）。

渡航先	航空券費用の目安（円）	備考
シンガポール	約30,000〜60,000円	直前購入では高騰しやすい
バンコク（タイ）	約25,000〜50,000円	LCC利用で安価に抑えられる
ジャカルタ	約35,000〜70,000円	トランジット便も選択肢に
ドバイ（UAE）	約60,000〜100,000円	長距離便のため相場が高め

渡航費用を抑えるためには、以下のような対策が有効です。

• オフシーズンを狙う
  　夏休み・年末年始は高騰しやすいため、閑散期（1月中旬〜2月、5月〜6月）を選ぶと費用を抑えられます。
  
• LCC（格安航空会社）を活用する
  　大手航空会社に比べて2〜4割安く、必要なサービスだけを選べる柔軟性があります。
  
• 片道航空券＋現地発券の工夫
  　往復よりも片道＋現地での再購入の方が総額を抑えられるケースもあります。
  

よくある失敗例としては、以下のようなケースがあります。

1. 直前予約で料金が高騰する
   　渡航予定の1週間前では、通常の1.5〜2倍の価格になることが多いです。
   
2. 預け荷物の追加料金を見落とす
   　格安航空会社では荷物1つごとに追加料金がかかる場合があります。
   
3. 到着時間までに入居先の手続きが間に合わない
   　深夜便到着後すぐに住居に入れず、空港での待機が必要になることもあります。
   

渡航費用の把握と早期予約を組み合わせることで、費用を抑えやすくなります。

1.3 現地到着までの住居手配とその費用感

海外移住において、現地到着直後の住居をどう確保するかは大きな課題の一つです。特に初期費用として発生する可能性が高いのが、短期滞在用のホテルやゲストハウスなどの宿泊費、または現地のアパート契約にかかる敷金・礼金・保証金といった費用です。

一般的な初期住居の選択肢と費用の目安は以下の通りです。

住居のタイプ	費用の目安（1ヶ月）	備考
ゲストハウス	30,000〜70,000円	家具付き、光熱費込みが多い
サービスアパートメント	80,000〜150,000円	家具・家電付き、短期契約可
一般賃貸アパート	50,000〜120,000円	敷金・礼金で＋1〜2ヶ月分発生

よくある失敗例には以下のようなものがあります。

1. 到着後に住居を探し始めてしまう
   　現地での滞在先が確保されていないと、空港到着後に慌ただしく探すことになり、割高な宿泊を強いられる場合があります。
   
2. 物件契約の条件を読み違える
   　敷金や保証金が返金されない契約内容もあるため、契約書の内容を細かく確認する必要があります。
   
3. 家具・家電なしの部屋を選んでしまう
   　現地で生活用品を一から揃えると、予想以上にコストがかかるため、初期は家具付き物件の選択が望ましいです。
   

移住初期に安心して生活をスタートさせるためには、渡航前に1〜3ヶ月分の住居費を準備し、できれば現地のサポート機関や知人を通じて住まいを確保しておくのが理想です。

住居にかかる費用は地域差が大きいため、事前に複数の物件情報を比較し、多めに予算を組んでおくと安心です。

2. 現地で必要な生活費（3ヶ月目安）

2.1 シンガポールでの生活費の目安（月額・3ヶ月合計）

シンガポールは東南アジアの中でも物価が高い国として知られています。特に住宅費と外食費は高額になる傾向があり、海外移住を検討する際には十分な生活費の準備が必要です。

以下は、シンガポールで寿司職人として働く前提で、1人暮らしに必要な月間生活費の目安です。

項目	月額費用の目安（円）	備考
家賃（1ルーム）	約120,000〜200,000円	地域によって大きく変動
食費	約40,000〜60,000円	自炊中心なら抑えられる
交通費	約10,000〜15,000円	電車・バス利用が一般的
通信費	約5,000〜8,000円	SIMカードやWi-Fi代
雑費・交際費	約15,000〜30,000円	日用品や交際費など

1ヶ月の合計目安は約190,000〜310,000円、3ヶ月では最大で90万円前後の予算が必要です。

支出を抑えるためには、ルームシェアの活用や、現地のフードコートを利用した食費の節約などが効果的です。また、雇用主が一部の費用（家賃や通勤手当など）を負担するケースもあるため、契約内容を確認することが大切です。

2.2 他のASEAN諸国（中東・シンガポール以外）の生活費の比較

シンガポール以外のASEAN諸国、特にタイ・ベトナム・インドネシアなどでは、比較的物価が安く生活コストを抑えやすい特徴があります。

以下は代表的な国の月間生活費の目安です。

国名	月額合計費用の目安（円）	家賃目安	食費目安	特徴
タイ	約100,000〜150,000円	40,000円	30,000円	食費が安く、現地生活に馴染みやすい
ベトナム	約80,000〜130,000円	30,000円	25,000円	バイク通勤が一般的で交通費が安い
インドネシア	約90,000〜140,000円	35,000円	25,000円	現地スーパーでの自炊が低コスト

多くの国では、日本よりも安い生活費で暮らすことが可能です。ただし、地域によっては医療や通信環境の整備が遅れている場合もあるため、暮らしやすさは事前に確認しておくことが望ましいです。

また、移住初期には現地通貨への対応や生活習慣の違いにも適応する必要があるため、想定より1〜2割多めの予算を確保しておくのが安心です。

2.3 シンガポール以外のASEAN諸国および中東では雇用主による住居手配が「ルール」としてあるか？

ASEAN諸国（シンガポールを除く）や中東地域では、多くの国で外国人労働者に対して雇用主が住居を提供する制度が一般的に整備されています。

特に以下の国々では、法的または労働慣行として、住居の提供が雇用主側の義務となっています。

国・地域	雇用主による住居提供の有無	法的根拠または実態
UAE（中東）	原則あり	労働ビザ発行時に住居の確保が条件
タイ	業種によりあり	飲食・観光業では企業が社宅を用意
インドネシア	多くの場合あり	雇用契約に住居支給の条項が含まれる
ベトナム	原則あり	外国人雇用者に対する福利厚生の一環

一方、シンガポールではこの制度は義務ではなく、高水準の家賃を自己負担することが一般的です。企業によっては住宅手当が出るケースもありますが、すべての雇用に適用されるわけではありません。

雇用主による住居手配が実際に行われるかどうかは、労働契約書で必ず確認し、曖昧な表現がないよう事前に話し合っておく必要があります。

雇用主が住居を提供する国であっても、内容や条件には差があるため、契約前に詳細を把握しておきましょう。

3. 海外移住はどれくらいで“元が取れる？”

3.1 滞在3ヶ月にかかる費用合計と収入とのバランス

海外移住を考える際、多くの人が気にするのが「初期投資に見合ったリターンが得られるか」という点です。ここでは、前セクションで紹介した生活費をもとに、滞在3ヶ月に必要な費用と、得られる収入のバランスを整理します。

以下は、シンガポールと東南アジアの一部地域における、滞在3ヶ月分の支出の概算です。

地域	生活費（3ヶ月）	航空券・ビザなどの初期費用	合計コスト目安
シンガポール	約600,000〜900,000円	約100,000〜150,000円	約70〜105万円
タイ・ベトナム	約300,000〜450,000円	約80,000〜120,000円	約38〜57万円

一方で、寿司職人として就職した場合の月収の目安は以下の通りです（経験や国により異なる）。

• シンガポール：月給20万〜35万円（手取り）
  
• ASEAN諸国（タイ・ベトナムなど）：月給15万〜25万円（手取り）
  

3ヶ月間働いた場合の想定収入は45万〜105万円となり、生活スタイルによっては移住初期費用を回収できる可能性があります。

もちろん現地での物価や為替変動、雇用契約の内容によっても大きく左右されるため、支出と収入のバランスを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

3.2 卒業後の就職先での給与想定と回収ペースのシミュレーション

政寿司道場を卒業し、海外の店舗で働き始めた後、どれくらいの期間で“元を取れるか”を考えるためには、まず初期投資を把握する必要があります。

政寿司道場の費用（例：学費・滞在費用・渡航準備費など）を含めた初期投資額の例を整理すると、以下のようになります。

項目	費用目安（円）
政寿司道場学費	約80万〜100万円
渡航前の準備費	約10万〜15万円
現地生活費（3ヶ月）	約30万〜90万円
合計	約120万〜200万円

一方で、寿司職人としての月収を20万円と仮定した場合、半年間で120万円、1年間で240万円の収入が見込めます。生活費を除いても、おおよそ8〜12ヶ月で初期投資を回収できる計算になります。

ただし、以下のような点に注意が必要です。

1. 渡航直後は収入が安定しにくい
   　勤務開始が遅れる、研修期間があるなどの理由で初月の給与が少ないこともあります。
   
2. 現地の通貨価値や物価が変動する
   　為替の変動や物価上昇によって支出が増える可能性もあります。
   
3. 予想外の出費が発生する
   　医療費、交通事故、家電の買い替えなど、突発的な支出がかかる場面があります。
   

そのため、生活費3ヶ月分と別に、予備費10万〜20万円を確保しておくと安心です。

初期費用を回収するまでの期間を把握しておくことで、収支の不安を軽減し、長期的なキャリア計画を立てやすくなります。

4. 政寿司道場卒業生向けの支援制度

4.1 進路支援の内容（ビザ・職場探し・現地生活）

政寿司道場では、卒業後の進路についてもしっかりとサポートを行っています。特に海外で働くことを目指す卒業生に対しては、ビザ申請のサポートや就職先の紹介、生活面でのアドバイスまで含めたトータルサポートを提供しています。

進路支援の主な内容は以下の通りです。

• 海外就職に向けたアドバイス
  　国ごとの就労ビザ制度や申請に必要な書類、審査期間の情報を提供します。
  
• 現地飲食業界の求人紹介及び調査
  　政寿司道場と提携している店舗や紹介ネットワークを活用し、海外での就職先を調査・紹介します。
  
• 現地生活の基礎知識提供（一部地域に限る）
  　物価や治安、医療事情、交通手段など、実際の暮らしに役立つ情報を卒業時にまとめて案内しています。
  

このような支援体制が整っていることで、卒業生が不安なく次のステップへ進むことができる環境が整っています。

4.2 語学指導や現地情報のサポート体制

海外で寿司職人として活躍するためには、現地でのコミュニケーション能力も非常に重要です。そのため、政寿司道場では実践的な英語指導をカリキュラムに組み込み、卒業後すぐに現地で対応できるよう準備がされています。

語学サポートの主な特徴は以下の通りです。

• 週1回の英会話授業（1ヶ月）
  　飲食業界に特化したフレーズや、注文のやり取りなど、現場で必要な表現を重点的に学習します。
  
• プロ講師による実践的な指導
  　英語が苦手な方でも、生活や仕事に必要な最低限のスキルを無理なく身につけられるよう指導します。
  
• 「英語脳」を意識したトレーニング
  　学問的な学習ではなく、即実践に活かせる形で語学力を高めていきます。
  

さらに、現地の文化や生活習慣についての情報提供も行っており、言葉だけでなく「海外で暮らすために必要な総合的な適応力」を身につけるための支援が整っています。

政寿司道場では技術習得だけでなく、語学・生活・文化の3点をセットで学べる体制が整っており、卒業生が海外で安心してスタートを切れるようになっています。

5. 支援制度・ローンプランの活用法

5.1 支援制度・の探し方と注意点

海外移住や技術習得にはまとまった資金が必要になるため、費用面での不安を感じる人も少なくありません。そうした場合に活用できるのが、各種の支援制度です。

支援制度を探す際の基本的な方法は以下の通りです。

• 地方自治体や商工会の支援制度を確認する
  　地域によっては若者の技術習得や海外挑戦を支援する制度があります。
  
• 教育訓練給付金の対象をチェックする
  　条件を満たせば、職業訓練にかかる費用の一部が支給される制度もあります。
  
  

ただし、支援制度の活用には以下の注意点があります。

1. 申請条件や締切を見落とさないこと
   　支援内容によっては、年齢・居住地・収入などの条件が厳しく設定されています。
   
2. 支給時期を確認すること
   　中には「受講終了後に支給」となる制度もあり、初期費用の負担軽減にならないケースもあります。
   
3. 返済義務の有無を明確にすること
   　「奨学金」と呼ばれていても実質的には貸与型（ローン）である場合があるため、内容をよく確認する必要があります。
   

正確な制度情報を入手し、自分に合った支援を見極めて選ぶことが、負担を抑えて計画的にステップを踏むための第一歩です。

5.2 ローン利用時のリスクと安心できる返済プラン

支援制度の利用が難しい場合、教育ローンなどの借入による資金調達を検討することも選択肢の一つです。ただし、ローンには計画性が必要であり、無理のない返済プランが重要です。

ローン利用時に考慮すべきポイントは以下の通りです。

• 月々の返済額が、卒業後の収入で無理なく支払えるか
  　想定される月収と生活費のバランスを考慮し、返済可能な金額を見極めることが重要です。生活費までローンに頼ってしまい、返済負担が過大にならないようにしましょう。
  
• 金利や返済期間を明確に把握する
  　金利によっては最終的な返済総額が大きく異なるため、事前に比較検討する必要があります。金利が高いローンを安易に選ばないようにしましょう。
  
• 在学中の支払い猶予があるかを確認する
  　返済開始時期が卒業後に設定されているプランであれば、負担を先送りできる場合があります。ただし、返済が始まってから収入が想定より下回ってしまう場合もあるので、気をつけましょう。
  
  

安心してローンを活用するためには、卒業後の収入と生活費を現実的にシミュレーションした上で、借入額を必要最低限にとどめることが基本です。

5.3 補助金や自治体の支援例（該当する場合）

地域やタイミングによっては、海外での技能習得や就労に関する支援を行っている自治体や団体が存在します。こうした補助金制度は、特に若年層や離職者、地方在住者を対象としたものが多く見られます。

主な特徴は以下の通りです。

• 若者の海外挑戦を支援するプログラム
  　渡航費や訓練費の一部を補助する制度が、自治体や地方銀行系の財団で行われている場合があります。
  
• 技能習得や職業訓練への補助
  　地元の雇用促進を目的とした支援で、一定期間の研修費を助成する制度が見られます。
  
• Uターン・Iターン希望者への奨励金
  　地方移住を伴う技能習得や職業訓練に対して、給付型の支援金を設けている地域もあります。
  

注意点として、こうした制度の多くは公募制・審査制であり、必ずしも希望すれば受けられるわけではありません。また、期間や支援内容も頻繁に変更されるため、最新情報のチェックが欠かせません。

公的支援や助成金制度は、うまく活用すれば初期費用の大幅な軽減につながるため、こまめな情報収集が経済的な負担を抑える鍵となります。

6. 現実的な計画を立てるために

海外で寿司職人として働くことは、技術を活かしながらグローバルな舞台で活躍できる貴重なチャンスです。しかし、渡航前から現地での生活までを通じて発生する費用は少なくなく、綿密な準備と資金計画が不可欠です。

本記事で紹介したように、初期費用は地域によって差があるものの、最低でも30万円〜、高い場合は100万円を超える出費が想定されます。この費用を「高い」と感じるか「将来への投資」と捉えるかは、その後のキャリアによって大きく変わってきます。

また、政寿司道場卒業後には支援制度や就職サポート、語学面でのフォローがあり、海外での生活をスタートさせやすい環境が整っています。さらに、補助金やローンプランを活用すれば、費用面での不安も軽減できます。

移住・就職にかかる費用を具体的に把握し、現実的な計画を立てて準備を進めることで、海外での挑戦をより確実に成功へとつなげることが可能になります。

海外で寿司職人を目指すなら、政寿司道場にお任せください。

海外移住にあたって充実した技術指導と語学サポート、卒業後の就職支援までワンストップで対応しています。

まずは公式サイトでカリキュラムや支援制度をご確認ください。